ホームブログWeb保守・運用 > 【失敗しない】WordPressのPHPバージョンアップ手順|8.3/8.4対応と互換性チェックの完全ガイド

【失敗しない】WordPressのPHPバージョンアップ手順|8.3/8.4対応と互換性チェックの完全ガイド

「サーバーの管理画面に『PHPのバージョンが古いです』って表示されてるけど、触って大丈夫なの?」——みなさん、この警告を見て不安になったことはありませんか?多くの中小企業のサイト管理者が、この通知を見て見ぬふりをしています。

結論から言うと、PHPのバージョンアップは面倒でもやるべきです。古いPHPを使い続けると、セキュリティリスクが増大し、サイトの表示速度も低下します。ただし、何も考えずにバージョンを上げるとサイトが真っ白になるリスクもあります。この記事では、僕が100社以上のWordPressサイトの保守で培った経験をもとに、安全なPHPバージョンアップの手順を解説します。

なぜPHPのバージョンアップが必要なのか——放置する3つのリスク

まず、「なぜPHPを更新する必要があるのか」を正しく理解しましょう。ここを理解していないと、「面倒だからいいや」となってしまいます。

リスク①:セキュリティの脆弱性

古いPHPバージョンは、セキュリティサポートが終了しているため、新たに発見された脆弱性に対するパッチが提供されません。

PHPバージョン アクティブサポート終了 セキュリティサポート終了 現在のステータス
PHP 7.4 2021年11月 2022年11月 ⚠️ 完全にサポート終了
PHP 8.0 2023年11月 2024年11月 ⚠️ サポート終了
PHP 8.1 2024年11月 2025年12月 ⚠️ サポート終了
PHP 8.2 2025年12月 2026年12月 セキュリティ修正のみ
PHP 8.3 2026年11月 2027年12月 ✅ 推奨(最も安定)
PHP 8.4 2027年11月 2028年12月 ✅ 最新版

⚠️ PHP 7.4やPHP 8.0を使い続けている方へ:これらのバージョンはすでにセキュリティサポートが完全に終了しています。ハッキングされるリスクが極めて高い状態です。早急にPHP 8.3以上への移行を検討してください。

リスク②:表示速度の低下

PHPの新バージョンは、旧バージョンに比べて処理速度が大幅に向上しています。実際の数値で比較すると:

  • PHP 7.4 → PHP 8.3:約30〜40%の速度向上
  • PHP 8.0 → PHP 8.3:約15〜20%の速度向上

表示速度はGoogleのSEO評価(Core Web Vitals)に影響するため、古いPHPのままではSEO的にも不利です。

リスク③:プラグイン・テーマの非互換

最新のWordPressプラグインやテーマは、古いPHPバージョンのサポートを順次打ち切っています。PHP 7.4では動作しないプラグインが増えており、サイトの機能拡張や不具合修正ができなくなるリスクがあります。

💡 ポイント:2026年4月現在、WordPress公式が推奨するPHPバージョンは8.3です。8.4も利用可能ですが、一部のプラグインで対応が遅れている可能性があるため、安定性を重視するならPHP 8.3を選ぶのが最も安全です。

バージョンアップ前の準備——この3ステップを省略するな

PHPのバージョンアップで最も多い失敗は、準備不足のまま切り替えてサイトが動かなくなるパターンです。以下の3ステップを必ず実施してください。

準備①:フルバックアップの取得

何よりもまず、サイト全体のバックアップを取得します。これが万が一のセーフティネットです。

UpdraftPlusやBackWPupなどのプラグインで「今すぐバックアップ」を実行し、バックアップデータをGoogleドライブなどの外部ストレージにも保存してください。

バックアップ確認チェックリスト

  • ✅ データベースのバックアップを取得した
  • ✅ ファイル(テーマ・プラグイン・アップロード画像)のバックアップを取得した
  • ✅ バックアップをサーバー外(クラウド)にも保存した
  • ✅ バックアップからの復元方法を把握している

準備②:WordPress本体・テーマ・プラグインの全更新

PHPバージョンアップで不具合が起きる原因の多くは、プラグインやテーマが古いまま放置されていることです。PHPを上げる前に、まず現在のPHP環境で以下をすべて最新にしておきます。

  1. WordPress本体を最新バージョンに更新
  2. 使用中のテーマを最新バージョンに更新
  3. 全プラグインを最新バージョンに更新
  4. 使っていないプラグインやテーマは削除する

準備③:互換性チェック

WordPressプラグイン「PHP Compatibility Checker」を使って、現在のテーマやプラグインが新しいPHPバージョンで問題を起こさないか事前にスキャンできます。

⚠️ ただし注意:PHP Compatibility Checkerの結果は100%正確ではありません。あくまで「目安」として活用してください。最終的な判断は、次のステップで説明するテスト環境での実際の動作確認で行います。

チェックで問題が見つかった場合:

  • そのプラグインの最新版がPHP 8.3に対応しているか公式ページで確認
  • 対応していない場合は、代替プラグインへの乗り換えを検討
  • 2年以上更新されていないプラグインは、PHP 8.x系で動作しない確率が高い

実際のバージョンアップ手順——ステップバイステップ

準備が整ったら、いよいよPHPのバージョンを切り替えます。

Step 1:テスト環境での検証(強く推奨)

いきなり本番環境のPHPを変えるのは危険です。可能であれば、テスト環境(ステージング環境)を作成して、そこで先に検証を行います。

テスト環境の作り方 方法 費用
レンタルサーバーの機能 エックスサーバーやConoHa WINGの「サイトコピー」機能 無料(サブドメインを使用)
ローカル環境 Local by Flywheel(LocalWP)でPC上にWordPress環境を構築 無料
プラグイン利用 WP Stagingプラグインでステージングサイトを作成 無料版あり

テスト環境でPHPを切り替えた後、以下を確認します:

テスト環境での確認チェックリスト

  • ✅ サイトのトップページが正常に表示される
  • ✅ 各固定ページが表示される
  • ✅ ブログ記事の一覧・個別ページが表示される
  • ✅ お問い合わせフォームが正常に動作する(実際にテスト送信)
  • ✅ ログイン・ログアウトが正常にできる
  • ✅ 管理画面の各メニューにアクセスできる
  • ✅ 画像のアップロードが正常にできる
  • ✅ ブラウザの開発者ツール(F12)でJSエラーが出ていないか

Step 2:本番環境でのPHP切り替え

テスト環境で問題がなければ、本番環境のPHPを切り替えます。各レンタルサーバーでの操作方法は以下の通りです。

エックスサーバーの場合:

  1. サーバーパネルにログイン
  2. 「PHP Ver.切替」をクリック
  3. 対象ドメインを選択
  4. 変更後のバージョン(PHP 8.3推奨)を選択
  5. 「変更」をクリック

ConoHa WINGの場合:

  1. コントロールパネルにログイン
  2. 「サイト管理」→「サイト設定」→「応用設定」
  3. 「PHP設定」でバージョンを変更

ロリポップの場合:

  1. ユーザー専用ページにログイン
  2. 「PHP設定」メニューからバージョンを変更

💡 ポイント:PHPの切り替えは即座に反映されます。切り替え後すぐにサイトを確認し、異常があれば即座に元のバージョンに戻してください。戻す操作も同じ管理画面から数クリックで可能です。

Step 3:切り替え後の動作確認とエラーログ監視

本番でPHPを切り替えたら、テスト環境で確認した項目をもう一度本番でも確認します。特に注意すべきは表面上は正常に見えるが裏でエラーが出ているケースです。

PHPエラーログの確認方法:

  • エックスサーバー:サーバーパネル →「エラーログ」
  • ConoHa WING:コントロールパネル →「サイト管理」→「エラーログ」
  • wp-config.phpdefine('WP_DEBUG', true); を一時的に設定してエラーを確認

⚠️ WP_DEBUG を有効にするのはデバッグ中のみにしてください。本番運用中に有効のままにすると、エラー情報が訪問者に表示され、セキュリティリスクになります。確認が終わったら必ず false に戻してください。

トラブルシューティング——よくある問題と解決方法

PHPバージョンアップ後に起きがちな問題と、その対処法をまとめます。

問題①:サイトが真っ白になった(WSOD)

最も恐ろしい症状ですが、対処法は明確です。

サイトが真っ白になった場合の対処手順

  • Step 1:まずPHPを元のバージョンに戻す(サーバー管理画面から)
  • Step 2:サイトが復旧したことを確認
  • Step 3:FTPでwp-content/pluginsフォルダにアクセスし、プラグインを1つずつ無効化して原因プラグインを特定
  • Step 4:原因プラグインの対応版を探すか、代替プラグインに切り替え
  • Step 5:再度PHPを新バージョンに切り替え

問題②:一部の機能が動かない

フォームが送信できない、画像がアップロードできないなど、一部機能に不具合が出るケースです。原因は高確率で特定のプラグインの非互換です。

エラーログを確認すると、Deprecated(非推奨)Fatal Errorの記述とともに原因ファイルのパスが表示されます。そのパスからどのプラグインが問題かを特定できます。

問題③:管理画面にログインできない

管理画面が真っ白になり、ログインすらできない場合の対処法:

  1. FTPソフト(FileZilla等)でサーバーに接続
  2. /wp-content/plugins/ フォルダ内の各プラグインフォルダの名前を変更(例:contact-form-7contact-form-7_disabled
  3. 管理画面にアクセスを試みる
  4. アクセスできたら、プラグインを1つずつ有効化して原因を特定
症状 よくある原因 対処法
サイト全体が真っ白 テーマまたは必須プラグインの非互換 PHPを戻す→原因特定→対応
一部ページがエラー 特定プラグインの非互換 エラーログで特定→プラグイン更新or交換
管理画面だけ白い 管理画面用プラグインの非互換 FTPでプラグイン無効化→特定
表示はされるがレイアウト崩れ テーマのCSS/JS処理の非互換 テーマの更新→キャッシュクリア
Deprecatedの警告表示 古い関数の使用(将来的に問題化) プラグイン開発者に報告or代替導入

PHP 8.3 と 8.4——どちらを選ぶべきか

2026年4月現在、PHP 8.3と8.4の両方が利用可能です。どちらを選ぶべきかの判断基準を整理します。

PHP 8.3を選ぶべきケース

  • 安定性を最優先する場合
  • プラグインやテーマのPHP 8.4対応状況が不明な場合
  • 初めてPHPバージョンアップする場合

PHP 8.3はWordPress公式が推奨するバージョンであり、ほぼすべてのメジャープラグイン・テーマが対応済みです。

PHP 8.4を選ぶべきケース

  • テスト環境でPHP 8.4での動作確認が取れた場合
  • 最新のパフォーマンスを追求したい場合
  • 使用しているプラグイン・テーマがすべて2025年以降に更新されている場合

✅ 僕のおすすめ:迷ったらPHP 8.3を選んでください。もしPHP 7.xからのアップグレードであれば、PHP 8.3でも十分な速度向上を体感できます。8.4への移行は、8.3で安定稼働を確認してから改めて検討すれば良いでしょう。

まとめ——PHPバージョンアップは「怖い」けど「必要な」保守作業

PHPバージョンアップは、WordPressの保守作業の中でも最も「怖い」もののひとつです。しかし、適切な準備とステップを踏めば、リスクを最小限に抑えて安全に実行できます。

この記事のポイントまとめ

  • 古いPHP(7.x〜8.1)はセキュリティリスクが極めて高い——早急に8.3以上への移行が必要
  • バージョンアップ前に必ず「バックアップ」「全更新」「互換性チェック」の3ステップを実施
  • テスト環境で先に検証してから本番に適用するのが安全
  • 2026年4月時点ではPHP 8.3が最も安定した推奨バージョン
  • トラブル発生時はPHPを元に戻すことで即座に復旧可能

「動いているから触らない」という考え方は、短期的には安全に見えますが、長期的には最もリスクの高い選択です。今日この記事を読んだことをきっかけに、まずはお使いのサーバーでPHPバージョンを確認するところから始めてみてください。

サイト保守のご相談はこちら

「PHPの更新は難しそうで不安」「プロに任せたい」という方へ。
AcquaではWordPressサイトの保守・管理を月額プランで承っています。
PHPバージョンアップもお任せください。

無料で相談してみる →

この記事を書いた人:進藤 優介|株式会社Acqua 代表取締役

飲食業界18年の実務経験を経て、Web制作・デジタルマーケティングの世界へ転身。2020年にAcquaを設立し、AI×Webの力で中小企業のビジネスを加速させることをミッションに、HP制作・LP制作からAI導入支援まで代表自らが伴走しています。

Webのお悩み、一緒に解決しませんか?

HP制作からAI導入まで、お気軽にご相談ください。