【2026年版】WordPressの定期バックアップ完全ガイド|UpdraftPlusの設定方法と復元手順
「サイトが壊れたけどバックアップがない」——最も悲惨なトラブル
WordPressの保守・運用における最大のリスクは、ハッキングでもサーバー障害でもありません。「バックアップがない状態でサイトが壊れること」です。
WordPressサイトのトラブル事例の約70%は、適切なバックアップがあれば30分以内に復旧可能です。逆に、バックアップがなければ、復旧に数日〜数週間かかるか、最悪の場合「最初から作り直し」になります。
にもかかわらず、中小企業のWordPressサイトの多くが「サーバー会社の自動バックアップに頼っているだけ」または「バックアップを一切取っていない」のが実態です。
結論から言うと、UpdraftPlus(無料プラグイン)を使えば、10分の初期設定で「毎日自動バックアップ+Googleドライブ保存」が実現できます。この記事では、設定手順と復元方法を、画面操作レベルの具体性で解説します。
この記事で分かること
- WordPressのバックアップが必要な理由と「3-2-1ルール」
- UpdraftPlusの導入・設定の完全手順
- Googleドライブへの自動バックアップの設定方法
- バックアップからの復元手順(全手順解説)
- バックアップで「よくある失敗」と対策
なぜ「サーバーの自動バックアップ」だけでは不十分なのか

サーバー会社のバックアップの限界
エックスサーバーやConoHa WINGなど、主要なレンタルサーバーは自動バックアップ機能を標準提供しています。しかし、これだけに頼るのは以下の理由で危険です。
限界①:復元の即時性がない
サーバー会社のバックアップから復元するには、多くの場合サポートへの連絡が必要で、復元まで数時間〜1営業日かかることがあります。UpdraftPlusなら、自分で数クリック、数分で復元可能です。
限界②:バックアップの保持期間が有限
多くのサーバーは7〜14日間のバックアップしか保持しません。ハッキングに気づくのが2週間後だった場合、バックアップはすべて「感染済みの状態」で、クリーンな状態に戻せません。
限界③:同一サーバー内に保存されている
サーバーの物理障害が発生した場合、バックアップデータも一緒に失われる可能性があります。
バックアップの「3-2-1ルール」
データ保護のベストプラクティスである「3-2-1ルール」を適用します。
| ルール | 内容 | WordPressでの実現方法 |
|---|---|---|
| 3つのコピー | 本番データ+2つのバックアップ | 本番サーバー+UpdraftPlus+サーバー自動バックアップ |
| 2種類の媒体 | 異なるストレージ媒体に保存 | サーバーのSSD+Googleドライブ(クラウド) |
| 1つは遠隔地 | 物理的に離れた場所に保存 | Googleドライブ(Googleのデータセンター) |
💡 ポイント:バックアップで最も重要なのは「本番サーバーとは物理的に別の場所に保存すること」です。サーバーの中にしかバックアップがなければ、サーバーが飛んだ時点で全てを失います。Googleドライブへの自動保存は、この「遠隔地保存」を無料で実現する最善策です。
UpdraftPlusの導入・設定手順

ステップ1:UpdraftPlusのインストール
WordPress管理画面から以下の手順でインストールします。
- 管理画面メニュー「プラグイン」→「新規プラグインを追加」
- 検索ボックスに「UpdraftPlus」と入力
- 「UpdraftPlus – Backup/Restore」(作者: UpdraftPlus.Com, DavidAnderson)を「今すぐインストール」
- インストール完了後「有効化」
UpdraftPlusは無料版でも、自動バックアップ+クラウドストレージ保存+ワンクリック復元の全機能が使えます。有料版(Premium)は移行機能や増分バックアップなどの追加機能がありますが、通常の保守運用では無料版で十分です。
ステップ2:バックアップスケジュールの設定
管理画面「設定」→「UpdraftPlus Backups」→「設定」タブを開きます。
推奨設定:
| 項目 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| ファイルバックアップのスケジュール | 毎週 | テーマ・プラグイン・画像は頻繁には変わらない |
| ファイルバックアップの保持数 | 4回分 | 約1ヶ月分のファイルバックアップを保持 |
| データベースバックアップのスケジュール | 毎日 | 投稿・コメント・設定は日々変わる可能性がある |
| データベースバックアップの保持数 | 14回分 | 約2週間分のDBバックアップを保持 |
ステップ3:Googleドライブとの連携設定
「保存先を選択」セクションに表示される各種クラウドストレージのアイコンから「Google Drive」をクリックします。
設定手順:
- 「Google Drive」アイコンをクリック
- 画面下部の「変更を保存」ボタンをクリック
- 「Googleにサインイン」のリンクが表示されるのでクリック
- Googleアカウントでログインし、UpdraftPlusへのアクセスを許可
- 認証完了のメッセージが表示されたら設定完了
以後、バックアップは自動的にGoogleドライブの「UpdraftPlus」フォルダに保存されます。
ステップ4:手動バックアップのテスト実行
設定が完了したら、必ず手動でテストバックアップを実行してください。
- 「UpdraftPlus」→「バックアップ/復元」タブを開く
- 青い「今すぐバックアップ」ボタンをクリック
- 「リモートストレージにバックアップを送信」にチェックが入っていることを確認
- 「今すぐバックアップ」を実行
バックアップ完了後、Googleドライブを開いて「UpdraftPlus」フォルダにファイルが保存されていることを確認してください。
✅ 確認ポイント:Googleドライブに以下の5種類のファイルが保存されていれば成功です。①データベース(-db.gz)②プラグイン(-plugins.zip)③テーマ(-themes.zip)④アップロード画像(-uploads.zip)⑤その他(-others.zip)。いずれかが欠けている場合は設定を見直してください。
バックアップからの復元手順

ケース①:サイトにログインできる場合(軽微なトラブル)
プラグインの更新でデザインが崩れた、設定を変更したら不具合が出た等、管理画面にログインできる状態での復元手順です。
- 「UpdraftPlus」→「バックアップ/復元」タブを開く
- 「既存のバックアップ」セクションに表示されるバックアップ一覧から、戻したい日付のバックアップを選択
- 「復元」ボタンをクリック
- 復元したいコンポーネントを選択(プラグイン、テーマ、データベース等)
- 「復元」を実行
通常、数分で完了します。復元後は必ずサイトの表示と管理画面の動作を確認してください。
ケース②:サイトにログインできない場合(深刻なトラブル)
「画面が真っ白」「エラーが出てログインできない」場合でも、以下の方法で復元可能です。
方法A:FTPでUpdraftPlusを再インストール
- FTPクライアントでサーバーに接続
/wp-content/plugins/updraftplus/が存在することを確認- ブラウザで
サイトURL/wp-admin/にアクセスし、UpdraftPlusの復元画面へ進む - Googleドライブ上のバックアップデータを選択して復元
方法B:レンタルサーバーのバックアップ機能を使用
UpdraftPlusでの復元も不可能な場合、レンタルサーバーの自動バックアップからの復元を試みます。これが「3-2-1ルール」で複数のバックアップ手段を持つ理由です。
⚠️ 絶対に守ること:復元作業の「前」に、現在の状態のバックアップを取ってください(壊れた状態でも)。復元後に「やっぱり元の状態に戻したい」という場合に必要になります。UpdraftPlusの復元画面でも「復元前のバックアップを取りますか?」と聞かれるので、必ず「はい」を選んでください。
バックアップで「よくある失敗」5選と対策
失敗①:バックアップを設定したが、実行されていなかった
原因: サーバーのcron(タスクスケジューラ)設定の問題。一部の格安サーバーではcronの実行間隔が制限されている場合があります。
対策: UpdraftPlusの「バックアップ/復元」画面で「次回のスケジュール予定」が表示されているか確認。表示されていない場合は手動バックアップを定期的に実行するか、別のサーバーへの移行を検討してください。
失敗②:Googleドライブの容量が足りなくなった
原因: 無料のGoogleドライブは15GBまで。画像が多いサイトではすぐに使い切ることがあります。
対策: バックアップの保持数を減らす(DB: 7回分、ファイル: 2回分など)。または、Google Oneの100GBプラン(月額250円)にアップグレード。
失敗③:データベースだけバックアップして、画像を含めていなかった
原因: UpdraftPlusのデフォルト設定では全コンポーネントがバックアップ対象ですが、カスタム設定で一部を除外していた場合に発生。
対策: 必ず「プラグイン」「テーマ」「アップロード」「その他」「データベース」の全5コンポーネントをバックアップ対象に含めてください。
失敗④:バックアップが古すぎて使えなかった
原因: ハッキングに気づくのが遅く、保持しているバックアップがすべて感染済みだった。
対策: データベースのバックアップ保持数を最低14回分(2週間分)に設定。重要なサイトでは30回分(1ヶ月分)を推奨。
失敗⑤:復元テストをしたことがなかった
原因: バックアップは取っているが、復元テストを一度も実施していない。いざ復元しようとしたら、バックアップファイルが壊れていて使えなかった。
対策: 3ヶ月に1回、テスト環境(ステージング環境)でバックアップからの復元テストを実施してください。
| 失敗パターン | 発生頻度 | ダメージ | 対策の難易度 |
|---|---|---|---|
| バックアップ未実行 | 高 | 致命的 | 簡単(設定確認のみ) |
| ストレージ容量不足 | 中 | 高 | 簡単(保持数調整 or 容量追加) |
| 一部コンポーネント欠落 | 低 | 高 | 簡単(設定確認のみ) |
| バックアップが古い | 中 | 致命的 | 簡単(保持数を増やす) |
| 復元テスト未実施 | 高 | 致命的 | 中(テスト環境が必要) |
まとめ:バックアップは「保険」ではなく「義務」
WordPressのバックアップ設定は、サイトを運営する上での「義務」です。UpdraftPlusの無料版を使えば、10分の設定で毎日自動的にGoogleドライブへバックアップされる体制が整います。
今日からのアクション:
- 今日:UpdraftPlusをインストールし、手動で1回バックアップを実行する
- 今週:Googleドライブ連携と自動スケジュールを設定する
- 3ヶ月後:復元テストを1回実施する
この記事を書いた人:進藤 優介|株式会社Acqua 代表取締役 飲食業界18年の実務経験を経て、Web制作・デジタルマーケティングの世界へ転身。2020年にAcquaを設立し、AI×Webの力で中小企業のビジネスを加速させることをミッションに、HP制作・LP制作からAI導入支援まで代表自らが伴走しています。