ACQUA JOURNAL
WordPressで文章を一括置換する前に|対象・事前確認・復元・公開検収の手順

会社名やサービス名をWordPress内でまとめて変えたいときは、まず「見つかった場所」と「変えてよい場所」を分けてください。文字が一致したものをすべて置換すると、過去のお知らせ、リンク先、連携設定まで意図せず変える場合があります。一括処理を使うかは、対象と復元方法が分かってから決めます。
この記事は、複数ページの修正を依頼する企業の担当者と、WordPressのデータを扱う制作会社向けです。本文の編集で足りるか、データベースの調査が必要か、事前の差分と公開後の検収でどう判断するかを整理します。実サイトで一括処理を実行した報告ではありません。
1.変更する表記と、残す履歴を決める
変更前後を一組で示す
古い表記、新しい表記、変更理由、適用する日、正しさを確認する担当をまとめます。名称だけか、料金や受付条件も変わるかを分けてください。確定した原稿と、提案中の文言を混ぜないようにします。
たとえば説明用の例として、「現行サービスの名称は変更するが、過去の開催報告では当時の名称を残す」という判断があります。これは特定の企業の実績ではありません。同じ文字でも、現在の案内と歴史の記録では扱いが異なります。
一致件数と変更対象は同じではない
検索で見つかった件数は、変更してよい件数の証拠ではありません。ページごとに現在の文脈を確認し、置換対象と対象外、その理由を残します。表記ゆれが複数ある場合も、検索条件を広げる前に、それぞれ同じ意味かを確かめます。
依頼内容自体がまだ曖昧なら、修正依頼の原稿と範囲を揃える方法から準備できます。本記事は、確定した変更を複数箇所へ適用する前のデータ調査と検収に絞ります。

2.本文、設定、画像・PDFを分けて調べる
どこに保存され、どこへ表示されるか
投稿本文だけでなく、タイトル、抜粋、独自の入力項目、共通部品、テーマ設定などに同じ表記がある場合があります。更新担当者が触る欄と、制作担当が調べる場所を分けます。実際の公開ページから参照元を対応付けてください。
数ページなら編集画面で個別に直す方が、変更箇所と履歴を追いやすい場合があります。データベースの一括処理を必ず選ぶ必要はありません。独自の保存形式や多数の対象がある場合は、調査と事前試験を依頼範囲に含めます。
ファイル内の文字は別の更新になる
画像に焼き込まれた文字、PDF、動画、外部予約サイトの案内は、WordPressの本文を置換しても更新されません。データベース内で一致がなくなったことを、掲載情報すべての更新完了とは扱わないでください。
古い掲載情報の棚卸しで、対象ファイルと管理担当も整理できます。新しい素材の作成、差し替え、外部側への更新依頼は、それぞれ担当と範囲を決めます。

3.保存形式と、実行する環境を確認する
制作担当は、対象サイト、データベース、テーブル、列、WordPress構成と使用ツールの版を確認します。似た名前の検証環境や、同じデータベースにある別サイトへ誤適用しないようにします。管理者の画面を開けたことと、操作対象が正しいことは別に確認してください。
WordPressのデータには、配列などを決まった形式で保存したものがあります。単純な文字列置換が、その形式の整合まで保つとは限りません。ツールが何を処理できるかを、現在の仕様と試験結果で確認します。
公式のWP-CLI search-replaceは、選んだデータベースのテーブルを検索・置換し、PHPのシリアライズされたデータも扱うと説明しています。ただし、これを使えば独自の保存形式や暗号化された値、外部連携まで自動で正しく更新できるという意味ではありません。
URL、メール、認証・契約条件、索引設定などを変更する必要が見つかったら、文章の修正とは別の影響を整理します。名称変更の依頼だけを根拠に、その設定まで一括変更しないでください。

4.原本と復元範囲、作業中の更新を整理する
変更前のデータ、対象一覧、現在の公開表示、復元する方法と担当を残します。WordPress公式のバックアップ説明は、データベースとファイルを扱っています。投稿のリビジョンだけで、設定やファイルまで元へ戻せるとは限りません。
バックアップがあることと、必要な範囲を戻せることは別です。対象の保存先、取得時刻、内容が読めるか、どの状態へ戻すかを確認します。実際の復元試験をした場合と、方法を確認しただけの場合も分けて記録します。
問い合わせや注文、他の担当者の編集が続くサイトでは、古いデータベース全体を戻すと、変更後に増えたデータを失う可能性があります。作業時間、更新を止める範囲、再開と差分の確認、問題時の対応を運営側と決めてください。全体復元を無条件の戻し方にしません。

5.実行前に対象と差分を確認する
WP-CLIの公式仕様には、保存せずに処理の報告を見るdry-runがあります。対象テーブルや列の制限、対象範囲を広げる指定もあるため、現在の構成に合わせて制作担当が選びます。データベース内の全テーブルを対象にする指定を、手軽な既定値として使う必要はありません。
| 事前に比較すること | 判断する内容 |
|---|---|
| 対象サイトと環境 | 本番・検証・別サイトを取り違えていない |
| 一致した場所 | 変更対象と履歴・設定を分けられる |
| 変更前後の値 | 名称以外の文章やリンクを壊さない |
| 対象外 | 残す理由と、更新しない範囲が明確 |
| 復元と確認 | 戻す対象と公開後の検収を準備できる |
dry-runの件数だけで承認せず、実際の変更内容と対象外を確認します。試験後に原稿や設定が変わっていたら、古い差分をそのまま適用しません。再確認した版と、実行を判断した人を記録してください。
変換後のデータをSQLファイルへ出す方式などを使う場合も、そのファイルは自動的に復元用原本にはなりません。変更前のバックアップ、変換後の出力、実行ログを名前と保存場所で区別し、機密情報を含むファイルを公開ディレクトリへ置かないようにします。

6.合意した範囲だけ反映し、結果を読み戻す
承認された対象、検索文字列、置換後の文字列、使用方法、実行する担当を揃えて反映します。未確認の別表記を途中で追加したり、ヒットが少ないから対象を全体へ広げたりしません。想定外の場所が見つかったら、一度止めて範囲を確認します。
処理の成功表示や変更件数は、ツールが報告した結果です。保存後の値と差分を取り直し、対象の値が更新され、対象外が保持されているかを確認してください。後から同じ処理を再実行して確認の代わりにしないようにします。
設定や共通部品が関係する場合は、一ページだけの確認で済ませません。異常があれば、保存した原本と現在の差分を比較して、合意した範囲で戻します。他の人の後続編集を無条件に上書きしないようにします。

7.公開画面、リンクと受付、残る素材を検収する
ログインしていない公開ページを開き、本文、見出し、画像の文字、PDF、リンク先を確認します。PCとスマートフォン、レイアウトが変わる幅で、長くなった名称による折り返しや欠けも見ます。保存値と公開表示が違う場合は、出力元やキャッシュを担当が調べます。
リンクやフォームを変えた場合は、その行き先と必要な操作も確認します。実際の送信や外部取引の試験は、許可された宛先と方法で行います。名称が新しく見えたことだけで、受付まで正常と判断しないでください。
変更日、対象、差分、検収結果、対象外と残課題を一覧に残します。検索結果や外部サービスに残る情報は、公開ページの反映と別に追います。置換件数を検索順位、問い合わせ、受注の成果へ置き換えません。

8.Acquaへは原稿と対象外、必要な調査を伝える
企業の方は、変更前後の表記、現在の案内か過去の記録か、確認担当、希望する公開時期を整理します。制作会社の方は、保存形式、対象範囲、独自項目、試験環境、後続更新と復元の条件も共有してください。原因や全保存先が分からなくても、その調査を依頼範囲へ含めて相談できます。
Acquaの企業向けWeb支援と制作会社向け実装・保守支援で、更新と調査の対応内容を確認できます。単純な本文差し替え、保存元の調査、限定した実装修正、公開検収を分け、費用と対応可否は個別に確認します。
相談窓口には、対象URLと変更したい表記、残したい範囲を分かるところから伝えられます。認証情報やデータベース原本を、初回の問い合わせへ貼る必要はありません。支援後に目指すのは、合意した情報が正しく公開され、対象外と必要な業務を保ち、担当者が変更と確認方法を引き継げる状態です。
