ACQUA JOURNAL
LP制作の費用の考え方|見積もり比較・自作と外注・予算試算

LP制作の費用を調べると、少額のテンプレート利用から、取材・撮影・広告連携を含む提案まで見つかります。しかし、金額だけを横に並べても、自社に必要な作業が含まれているかは分かりません。同じ「LP一式」でも、原稿を誰が書くか、入力フォームをどこまで作るか、公開後に誰が直すかで依頼内容が変わります。
この記事は、LPの新規制作や作り直しを検討する企業の担当者に向けて、費用を確認する順序を整理したガイドです。W3C、IPA、Google、WordPressの一次資料と、Studioが公開する料金・機能の説明を参照します。特定の金額を業界全体の相場と断定せず、見積もりの条件を揃え、自作・外注・分担を判断する方法を説明します。
文中の見積もり比較と予算計算は説明用の仮定です。Acquaの料金表、お客様の実績、将来の売上予測ではありません。問い合わせ数、受注数、売上、費用を分けて考え、相談時に必要な情報と質問をまとめられることを目指します。
1. LP制作費は、金額の前に作業範囲を確かめる
「1ページに含まれるもの」を具体的に書き出す
最初に決めるのは、価格帯の名前ではなく制作対象です。サービスを説明する長いページだけなのか、問い合わせフォーム、入力確認、受付完了画面まで含むのかを挙げます。プライバシーの案内、資料ダウンロード、外部予約サービスへの接続なども、どこで実現するかを書いてください。ページ数が同じでも、入力後の処理が異なれば確認する仕事が増えます。
説明用の例として、原稿と写真が揃ったイベント告知と、取材から始める法人向けサービスの相談LPを比べます。前者は日程や参加条件の確認、後者は対象業務、導入条件、相談後の対応などの整理が必要です。どちらが高品質かを先に決める話ではありません。すでに用意できている材料と、新たに依頼する作業の違いを明確にするための比較です。

構成・原稿・デザイン・実装の担当を分ける
見積もり依頼には、構成案を作る人、原稿を書く人、写真を用意する人、内容を承認する人を記します。「原稿支給」は完成原稿を渡す意味なのか、営業資料を渡して制作会社に編集してもらう意味なのか、言葉だけでは揃いません。資料の整理や文章の書き直しまで期待するなら、その作業を見積もりに含めてもらいます。
デザインも、既存ブランドに合わせる、既存ページの部品を使う、LP専用の表現を作るなど条件が異なります。実装では、既存WordPressに追加するのか、別のサービスで公開するのか、既存フォームを再利用するのかを確認します。ツール名が決まっていなくても、更新担当者と必要な機能が分かれば、候補を比較する材料になります。
自社で担当する項目を見積書から外す場合も、その仕事がなくなるわけではありません。原稿の完成日や写真の利用条件が決まらなければ、外注側の作業も止まります。社内の担当時間を予定に入れ、素材が揃わない場合の代替案まで確認すると、安い金額で契約した後に仕事が戻ってくる事態を減らせます。
公開できる状態と、成果を出す活動を区別する
公開作業、動作確認、計測設定、広告運用、継続改善は別の仕事です。「公開後サポートあり」という記載だけで、広告文の作成や月次の分析まで含むとは判断できません。何を確認し、どんな報告や修正を受け取れるのか、期間と担当者を具体的に尋ねます。
W3Cのフォーム制作ガイドは、入力部品のラベル、説明、検証、利用者への通知などを扱っています。LPにフォームを置く仕事は、枠を描くことだけでは終わりません。この考え方を見積もりへ応用し、入力・エラー・受付までの確認を誰が担当するか尋ねてください。資料の紹介は作業範囲を考えるためであり、特定の制作費を示す根拠ではありません。
2. 見積もりを同じ条件に並べて比較する
含む・別途・自社担当・未確定を一覧にする
各社の見積書は項目名やまとめ方が異なります。そこで、自社用の比較表に作業項目を並べ、各社について「含む」「別途」「自社担当」「未確定」を書き込みます。金額の欄を埋める前に、空欄を質問へ変えるのが目的です。「記載がないから無料」「一式だから全部含む」と解釈しないようにします。
たとえばA社は原稿支給、B社は取材と原稿作成を含む場合、合計だけでA社が安いとは決められません。同じ依頼範囲で追加見積もりをもらうか、自社で原稿を完成させる時間を別に確保します。両社に同じ資料と質問を渡し、前提が変わった場合は比較表にも反映してください。

修正回数より、何を修正できるかを確かめる
「修正2回まで」のような条件は、回数の数え方と対象を確認します。一度の打ち合わせでまとめて伝えるのか、文章を送るたびに一回なのかで運用が変わります。色や余白の調整と、承認済みの構成を作り直す変更を同じ修正として扱うかも、契約前に揃える必要があります。
写真の差し替えを想定していたのに撮影が必要になった、商品仕様が変わって比較表を作り直した、フォームの項目を増やして社内システムと連携した、といった変更は、見た目が小さくても関連する仕事が広がります。「少しだけなので」と依頼する前に、追加作業、費用、日程への影響を確認します。
一方、合意した内容と違う実装の修正を、すべて追加要望と同じ扱いにしてよいわけでもありません。何をもって作業完了とするか、確認期間、誤りへの対応と追加要望の扱いを文書で残します。一般的な比較項目はホームページ制作の見積もりの見方でも整理しています。
支払い総額と、支払い時期を別に確認する
見積もりでは税の扱い、有効期限、着手時と納品時の支払い、素材や外部サービスの費用を確認します。制作費と月額費用を混ぜた合計だけでは、最初にいくら必要か、いつから継続費用が発生するか分かりません。分割払いの総額と、一括払いの金額も区別します。
公開後の保守契約が必須なのか任意なのか、停止や解約でLPの公開がどうなるかも確認対象です。初年度の割引がある場合は、翌年度の条件と更新方法を記録します。予算上限を伝えるときは「制作だけの上限」か「公開後の一定期間を含む上限」かを添えると、必要な作業を残した提案を受けやすくなります。
3. 自作・外注・分担を、時間と運用から選ぶ
自作できるかは、完成までの作業で判断する
自作の判断では、編集画面を操作できるかだけでなく、原稿、画像、スマホ表示、入力、公開設定を仕上げられるかを確認します。公開後に日付や価格を直す担当者がいるか、担当者の休暇や異動でも更新できるかも含めて考えます。ツールの利用料が低くても、社内作業や確認に時間がかかることはあります。
最初から全LPを作る前に、実際の原稿の一部と画像を使って、小さな試作を行う方法があります。見出しの折り返し、フォームの必要項目、更新操作を確認し、自社でできた作業と難しかった作業を記録します。試作でページが表示できたことと、顧客向けに公開して受け付けられることは分けて判断してください。

公式の料金表では、月額と機能条件を一緒に読む
実際の公開情報の例として、Studioの公式料金ページでは、年払いと月払い、ページ数、フォーム回答数、独自ドメイン、管理機能などが区別されています。2026年9月10日の確認では、Miniは年払い時の月額表示が590円、月払いは1,290円です。同じプラン名でも支払い方で表示額が異なるため、月額だけを比較欄へ転記しないことが大切です。
これはツールの公開料金の一例であり、LP制作の総費用や自社への適性を示すものではありません。利用時には公式ページで最新の料金、税の扱い、支払い単位、必要な機能の上限を再確認します。独自ドメイン代、素材の利用料、外部予約サービスなどが必要なら、その契約も別に計上してください。
他のツールとの比較も、無料か有料かだけで決めず、必要な操作を同じ条件で確認します。フォームの回答保存、通知先、計測、共同編集、データの取り出しが自社の運用に合うかを見ます。使っていない機能の多さより、必要な仕事を無理なく続けられるかが判断材料になります。
一部だけ外注する場合は、受け渡すものを決める
自作と全面外注の間には、構成と原稿は自社、デザインと実装は制作会社、公開後の更新は自社という分担もあります。反対に、既存の編集環境を使いながら構成や原稿の整理だけを依頼することも考えられます。分担自体より、誰がどの状態まで仕上げて次へ渡すかが重要です。
たとえばデザインだけを依頼するときは、スマホ版、ボタンの状態、エラー時の説明、画像の書き出しをどこまで含むか確認します。実装担当が必要とする情報が欠けると、引き継ぎ後に追加の確認が発生します。広告予算がある金額を超えたら必ず外注、という一律の線引きではなく、必要な仕事と社内で確保できる時間を照らし合わせて選びます。
4. 予算試算は、問い合わせ・受注・利益を分ける
問い合わせを、そのまま売上に換算しない
LPの費用対効果を考えるときは、まずコンバージョンが何を指すか決めます。問い合わせ送信、資料請求、予約、購入では、その後に必要な対応も売上との距離も異なります。相談が20件あっても20件すべてが受注するとは限らず、受注しても提供に必要な費用があります。
Google広告のコンバージョン値の説明では、件数だけでなく行動に付ける価値を扱っています。実務への応用では、設定した値と実際の売上・利益を混同しないことが大切です。資料請求に仮の金額を設定しても、その金額が入金されたわけではありません。広告管理画面の数字を社内の受付・受注記録と照合できるようにします。

同じ期間の支出と、受注後に残る金額を計算する
以下は計算方法を説明するための架空例です。対象期間は3か月、金額は税抜で揃えます。LP制作費30万円、広告費は月10万円、運用費は月2万円と仮定すると、対象支出は30万円+30万円+6万円で66万円です。これは制作費相場や広告出稿の推奨額ではありません。
同期間に相談30件、そのうち受注6件、1件の売上15万円、提供に直接必要な費用9万円と仮定します。売上は90万円ですが、直接費を差し引くと36万円です。そこから対象支出66万円を引いた差額はマイナス30万円になります。売上だけが制作費を上回っても、費用回収を確認したことにはなりません。
| 3か月の架空試算 | ケースA | ケースB |
|---|---|---|
| 相談件数 | 30件 | 30件 |
| 受注件数 | 6件 | 12件 |
| 売上(1件15万円) | 90万円 | 180万円 |
| 直接費控除後(1件6万円) | 36万円 | 72万円 |
| 制作・広告・運用の対象支出 | 66万円 | 66万円 |
| 上記だけを差し引いた差額 | −30万円 | 6万円 |
ケースBも相談30件ですが、受注が12件になったという別の仮定です。LPの価格やデザインを変えればこうなる、という因果関係を示してはいません。また、差額6万円は営業人件費など未計上の費用を引く前で、最終利益ではありません。実際の計画では、自社でどの費用を含めるかを揃えて計算し直します。
楽観的な一案だけで発注額を決めない
試算は、受注率が低かった場合、入金が翌期になる場合、更新作業が増えた場合も分けて作ります。売上が立つ時期と制作費を支払う時期が離れていれば、累計で採算が合っても途中の支払い資金が必要です。回収期間を説明するときは、利益の定義と入金時期を曖昧にしないでください。
データがない段階では、分からない数字を業界平均らしく埋めず、仮定として残します。公開後に確認する順序を決め、相談の質、受注、提供費用を記録して仮定を更新します。事業の目的や予算を企画書へまとめる手順はLP制作の企画書ガイドを参照してください。
5. 制作会社は、担当範囲と説明の確かさで比較する
制作実績では、何を担当したかを聞く
制作事例を見るときは、画像の見た目に加えて、構成、原稿、デザイン、実装、計測、広告のうち何を担当したかを確認します。同じサイトが複数の会社の実績に載っていても、担当工程が異なる場合があります。自社で必要な仕事と近い経験かを判断するために、事例の担当範囲を聞いてください。
成果数値が掲載されている場合は、期間、母数、コンバージョンの定義、同時に行った広告変更などを確認します。数字があるだけで品質を証明できるわけではなく、数字を公開できないだけで能力が低いとも判断できません。機密情報を開示させることより、公開できる範囲で作業の理由や検証方法を説明できるかを見ます。

提案を受けたら、理由と確認方法を対にする
「ボタンを増やす」「フォームを短くする」という提案には、どの現象を改善したいのかを尋ねます。問い合わせの条件を読まずに送信されているなら、入力項目を減らすより、対象条件の説明を整える方が先かもしれません。施策名だけで順位を付けず、自社の状況を確認する手順が提案に含まれているかを見ます。
スマホの操作確認についてはLPのスマホ対応を見直す手順、利用者に見てもらう方法は公開前のユーザーテストへ分けて確認できます。費用記事で全施策を決め切る必要はありません。どこまでを今回の依頼に含めるか、完成時に何を確かめるかを揃えることが先です。
提案を比べる際は、良さそうな言葉を評価する欄と、確認済みの証拠を書く欄を分けると判断しやすくなります。たとえば「運用しやすい」には更新画面の説明、「入力しやすい」には試験手順、「計測できる」には記録する行動と確認方法を対応させます。分からない点が残ったら、契約前の質問としてまとめます。
窓口・実作業・公開後の担当を確かめる
営業の窓口と、原稿や実装を担当する人が異なる場合は、質問の伝え方と回答の流れを確認します。代表者や専任ライターが関わるという肩書きだけで判断せず、どの工程で誰が確認し、変更を誰が承認するかを聞きます。担当者が不在のときに連絡できる窓口も確認しておくと、公開日の調整に役立ちます。
費用と体制を比較するときは、継続して任せる仕事と、単発で完了する仕事を区別します。月次契約があるなら、分析報告だけなのか、原稿や画面の修正まで含むのかを確認してください。必要な範囲の説明が揃った後で、デザインの相性やコミュニケーションの取りやすさも含めて選びます。
6. 追加費用を減らすために、確認と変更の手順を決める
原稿と承認者が決まらないまま進めない
制作開始前に、商品仕様、価格、対象地域、掲載できる写真や事例を確認します。未確定の情報は空欄のまま渡すのではなく、誰がいつ決めるかを添えます。原稿に仮の数字が入っている場合は、完成原稿へ混ざらない表示方法を決めてください。公開直前に数値の確認が集中すると、全体の修正が必要になることがあります。
社内に複数の確認者がいる場合は、意見をまとめる人を一人決めます。営業、商品担当、経営者が別々の版へ修正を送ると、どれが最新の承認内容か分からなくなります。検討中の案と確定した原稿を区別し、制作会社へ渡した版を保存するだけでも、後の照合がしやすくなります。

変更する前に、費用と日程への影響を共有する
IPAのモデル契約に関する講演資料の変更管理の説明では、変更の内容・理由に加え、費用、スケジュール、契約条件への影響を記録する項目が示されています。これはシステム開発の資料であり、その条文がすべてのLP契約に自動で適用されるという意味ではありません。LP制作でも、変更前に影響を明らかにする考え方を参考にできます。
説明用の例として、相談フォームへ添付ファイル機能を追加したい場合を考えます。画面の項目を一つ増やすだけでなく、保存先、容量、通知、扱う情報、確認手順を整理する必要があります。変更案を送ったら、対応範囲と費用、日程を確認し、合意してから実装へ進めます。
追加費用が出ること自体を失敗と決めつけず、変更の理由と必要性を説明できるかを見ます。初めから決められない事項があるなら、追加判断の時期と予算の扱いを共有します。依頼の書き方はホームページの修正依頼ガイドに具体例をまとめています。
公開日から逆算し、確認の時間も予定へ入れる
制作日数だけを足して公開日を決めると、社内確認、写真の手配、外部サービスの設定、修正後の再確認が抜けることがあります。構成、原稿、デザイン、実装の各段階について、提出日と回答日を予定に入れます。休日や社内会議の予定も含め、担当者が確認できる日を具体的に共有してください。
広告やイベントの日程が固定されている場合は、必要な最低限の公開範囲と、その後に追加する内容を分ける判断もあります。ただし、料金条件や受付に必要な説明を未完成のまま公開してよいという意味ではありません。何を先に出せるか、何が揃うまで公開できないかを、事業側と制作側で決めます。
7. 公開後の費用と、引き継げる状態まで確認する
公開確認と日々の更新を、担当表に残す
納品時には、公開URL、画像や原稿、スマホ表示、入力エラー、受付完了、管理側の通知などを合意した範囲で確認します。フォーム試験は受信先と内容を担当者と調整し、実際の相談と区別してください。テスト環境で確認できたことと、公開環境へ反映されたことも別々に確認します。
運用開始後は、価格や日付の変更、フォームの不具合、外部サービスの契約更新について誰へ連絡するかを記録します。保守費に含む修正、追加見積もりになる作業、対応できる時間を一覧にすると、問題が起きてから契約を調べ直す負担を減らせます。「何かあれば対応」という言葉を、具体的な連絡先と作業範囲に置き換えましょう。

納品データと契約アカウントを区別して受け取る
納品物では、公開用ファイル、編集用データ、画像、原稿、設定の説明を区別します。素材の利用許諾、再編集できる範囲、別の制作会社へ渡せるものも確認してください。データを受け取ったことと、すべての素材を自由に再利用できることは同じではありません。
技術的な例として、WordPressの標準エクスポートの説明は、投稿や固定ページなどをXML形式で取り出す機能を扱っています。サイトのデザイン、プラグイン、配信環境まで含む完全な復元データとは区別が必要です。納品時に「エクスポートを渡す」と言われたら、何が含まれ、どの環境で復元できるかを確認します。
ドメイン、サイト作成ツール、計測の契約は、自社が継続して管理できる名義と権限を確認します。担当者個人のアカウントしか分からない状態を避け、支払いと更新の担当も記録します。具体的な引き継ぎ項目は制作会社を変更するときの引き継ぎガイドでも確認できます。
公開後の数字を、次の予算判断へつなげる
Google広告のオフラインコンバージョンの説明では、広告を見た後にオンライン以外で起きた行動を計測へつなげる仕組みを扱っています。すべての企業が直ちに導入すべきということではありません。LPでの相談と、その後の受注を別の出来事として追う必要がある、という点を予算管理にも生かせます。
小さく始める場合も、期間、相談件数、有効な相談、受注、提供費用を同じ定義で記録します。制作費を増やしたから成果が出たと断定せず、広告や商品条件など同時に変えたものを残します。次の更新予算は、表示の修正、情報の追加、計測の整備など、確認できた課題に対応させます。
見積もり相談の前には、対象LP、目的、用意できる材料、自社担当、公開希望日、制作と運用それぞれの予算を一枚にまとめてください。未確定の項目もそのまま示して構いません。Acquaへ相談する場合は、LP制作の相談窓口から状況をお知らせください。作業範囲を揃え、必要な仕事と公開後の確認まで整理するところから進められます。